ではここで、これらの根本的な概念が正確にどのように現れるのかを理解することを目的として、いくつかの単純な代数的な言明を作ってみることにしよう。
(1) 任意の数 に対して、 である。
(2) ある数 について、 である。
(3) ある数 について、 である。
まず注目すべき点は、ここで用いられている「ある(some)」という言葉の意味に含まれる可能性である。 は任意の数 について成り立つため、「ある数 」についても真である。したがって、ここでの用法において、「任意の(any)」は「ある(some)」を含意し、「ある」は「任意の」を排除しない。次に、2番目の例では、 を満たす数 は実際にはただ一つ、すなわち数 のみである。したがって、この場合の「ある」は、ただ一つの数のみを指す可能性がある。しかし3番目の例では、 より大きい任意の数 は を満たす。ゆえに、この場合の「ある数」に該当する数は無限に存在する。以上のことから、「ある」とは「任意の」から「ただ一つ」までのあらゆる範囲を指し得るのであり、その両端の限界事例もそこに含まれるのである。